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乗っ取り再生は可能か?プラナリア(ナミウズムシ)の幹細胞をキタシロウズムシに移植~中間報告編【ニコニコサイエンス】

公式
(3時間27分)

ニコニコサイエンス提供:株式会社ドワンゴ


【前回の番組はこちら】


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URL:https://dic.nicovideo.jp/id/5642896

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番組概要
様々な研究機関や教育機関とニコニコがコラボして今までにない新しいサイエンス番組を放送していく 【ニコニコサイエンス】
第2回目の放送は、基礎生物学研究所とコラボして、これまで誰も挑んだことのない実験の中間報告をライブ放送でお届けします。

「乗っ取り再生は可能か?プラナリアの幹細胞をキタシロウズムシに移植する」と題して、驚異の再生能力を持ち、切断された破片から個体を再生することが可能なプラナリア(ナミウズムシ)の幹細胞を取り出し、X線照射して幹細胞を失くした別種のプラナリア(キタシロウズムシ)の体に移植するとどうなるのか?
世紀の実験をリアルタイムで行います。
こちらの放送は、1月28日(金)20時から生放送します。

出演者

阿形 清和 所長(基礎生物学研究所)


石田 美雪 研究員(基礎生物学研究所)


【阿形所長からのメッセージ】

異種間キメラ移植実験の意義
当研究室のプラナリア(ナミウズムシ、Dugesia japonica)は 1990 年に 1 匹のプラナリアだったものを無性生殖だけで 30 年間増やし続けている。
すなわち、プラナリアの高い再生能力を支える成体の多能性幹細胞は、細胞としての寿命を持たずに個体の再生産(種の保存)を担っていることを示唆している。
しかし、本当に成体の多能性幹細胞がエンドレスに個体の再生を担っていることを証明するのは簡単ではない。
今までに、X 線を照射して幹細胞を除去したプラナリア(基本はそのままだと死亡する)に 1 個の多能性幹細胞を移植して、ある頻度で死亡からレスキューすることに成功していることから、1 個の多能性幹細胞の移植でプラナリアの個体を作れる--と言われている。
ただ、同種間移植では X 線照射で生き残った残存の幹細胞や、X 線照射に耐性の分化した細胞が脱分化(幹細胞化)して個体をレスキューした可能性は排除できない。

そこで、今回の異種間キメラ移植実験が登場する。
ナミウズムシ同士での幹細胞移植実験では、どうしても「元の幹細胞が残っていたのでは?」「分化した細胞が脱分化して幹細胞化したんじゃないの?」という指摘に反論することができない!!
すなわち同種間での移植実験では、それらの指摘を否定するのは極めて難しい。
しかし、異種間移植で同じようにレスキュー実験が成功すれば、多能性幹細胞が、個体の再生および種の保存を担う根源的な細胞でことを実証できることになる!!

本実験では、体色も違い、頭の形も違うプラナリア(キタシロウズムシ)をホストとして、ナミウズムシの成体の多能性幹細胞を移植して体色が茶色くなり、頭も三角形になってナミウズムシに変身できれば、成体の多能性幹細胞で個体が作られることを完全証明できることになる。

また、いまのところマウスでもプラナリアでも多能性幹細胞の塊を作っても個体になることはない(ホストとなる体があってキメラができあがる)。
すなわち、多能性幹細胞単独で個体を作ろうとすると、多能性幹細胞から卵細胞を経ない限りできないということになる。これは、1 つの細胞から体の作るために必要な位置情報を多能性幹細胞は自律的につくれないことを示唆している。
逆説的に言うなら、大きな 1 細胞である卵は発生のための栄養だけではなく、発生に不可欠な位置情報を自律的に作れるから個体をつくることができる—と言える。
別種間のプラナリアで移植実験を行うことで、移植先のホストの体の位置情報を使って多能性幹細胞は個体を作ることになる。
その結果として、ナミウズムシの細胞を移植した場合でも、体色は茶色なったにもかかわらず、形はキタシロウズムシになる可能性もあり、ナミウズムシの多能性幹細胞のゲノム情報が形を決めるの主導権を持つのか、キタシロウズムシの位置情報がナミウズムシの幹細胞の制御権を持つのかを知ることができる。

企画
基礎生物学研究所

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